ライフプランシミュレーションについて解説
- ほけんイージー編集部
- 8月2日
- 読了時間: 6分
更新日:8月3日

将来への漠然とした不安を解消し、希望に満ちた未来を築くための第一歩が「ライフプランのシミュレーション」です。この記事では、ファイナンシャルプランナーの視点から、ライフプランの基本からシミュレーションの具体的な活用法までを分かりやすく解説します。
ライフプランとは?
ライフプランとは、人生の「設計図」です。単に将来のお金の計画を立てることではありません。結婚、出産、子育て、住宅購入、退職といった人生の節目(ライフイベント)を具体的に描き、それらに必要な資金を計画的に準備するための総合的な人生設計を指します。
ライフプランの主な要素
ライフイベント:いつ、どのようなイベントが発生するか。
例:結婚(20歳代)、住宅購入(30歳代)、子どもの進学(40歳代)、退職(60歳代)
キャッシュフロー:収入と支出の流れ。
手取り収入、ボーナス、退職金などの「収入」と、生活費、住宅ローン、教育費などの「支出」を時系列で把握します。
資産形成:将来の目標に向けた資産の運用計画。
iDeCoやNISAを活用した資産運用、貯蓄計画などを含みます。
ライフプランを作成するメリット
ライフプランを作成することは、将来の漠然とした不安を解消し、具体的な行動を起こすための強力なツールとなります。
メリット①:将来の「見える化」
ライフプランを作成すると、将来の家計の収支と貯蓄残高がグラフなどで可視化されます。これにより、「このままの生活を続けると、老後に資金が足りなくなるかもしれない」といった課題が明確になります。逆に、「目標額を達成できそうだ」という安心感を得ることもできます。
メリット②:目標達成への道筋が明確になる
将来の課題が明らかになると、「毎月の貯蓄額をあと1万円増やす」「資産運用を始める」といった具体的な行動目標が定まります。ゴールが明確になることで、日々の節約や資産形成のモチベーション維持にもつながります。
メリット③:適切な判断ができるようになる
住宅購入や保険の見直しなど、人生には大きなお金が動く決断が何度も訪れます。ライフプランがあれば、それぞれの決断が家計にどのような影響を与えるかを客観的に判断できるようになります。
シミュレーションとはどんなことをやるのか?
ライフプランシミュレーションとは、作成したライフプランをもとに、将来の家計の収支と貯蓄残高の推移を予測することです。
シミュレーションの主な手順
現状の把握:年間の手取り収入、毎月の支出(固定費・変動費)、現在の貯蓄額などを正確に洗い出します。
将来のライフイベントと費用の設定:いつ頃、どんなライフイベント(子どもの進学、住宅購入など)が発生し、それぞれにどのくらいの費用がかかるかを設定します。
教育費であれば「私立大学に進学した場合」「高校まで公立の場合」など、複数のパターンを想定することが重要です。
シミュレーションの実行:専用のツールやソフト、またはファイナンシャルプランナーとの相談を通じて、入力したデータを基に将来の家計を予測します。
このシミュレーションにより、例えば「子どもの大学進学時に貯蓄が底をつく」といったような、将来の資金ショートのリスクが浮き彫りになります。
作成したライフプランをどう活用するか
シミュレーションで明らかになった課題を解決し、希望する未来を実現するために、ライフプランを積極的に活用しましょう。
活用ステップ①:課題の洗い出しと対策の検討
シミュレーションの結果、資金が不足することが分かった場合は、以下の対策を検討します。
家計の見直し:無駄な支出がないか、固定費を削減できないかなどを検討します。
収入の増加:副業を始める、キャリアアップを目指すなど、収入を増やす方法を考えます。
資産運用の開始:つみたてNISAやiDeCoなど、長期的な視点での資産運用を取り入れます。
活用ステップ②:定期的な見直し
ライフプランは一度作ったら終わりではありません。子どもの進路変更、転職、マイホーム購入など、ライフイベントが発生するたびに状況は変わります。年に一度はライフプランを見直し、最新の状況に合わせて調整することが非常に重要です。
活用ステップ③:専門家への相談
複雑な家庭環境や具体的な資産運用について悩んでいる場合は、ファイナンシャルプランナーに相談することをお勧めします。専門家は、客観的な視点から、個別の状況に合わせた具体的なアドバイスや解決策を提供できます。
ライフプランシミュレーションは、未来を具体的に描き、計画的に進んでいくための羅針盤です。将来への漠然とした不安を抱えている方は、まずはご自身の「人生の設計図」を描くことから始めてみてはいかがでしょうか。
誰に頼むか
銀行の相談窓口
銀行にもファイナンシャルプランナーの資格を保有したスタッフがいます。銀行の相談ブースで周りを気にせずに時間をかけてシミュレーションを行えるでしょう。
無料でシミュレーションをやってくれる代わりに預金や投資商品などの営業をされることもあることは覚えておきましょう。
保険ショップや保険の営業
保険の募集人もFP資格を保有している場合が多いですが、ライフプランのシミュレーションに関しては保険のことばかり話す人から周辺知識まで詳しく教えてくれる人まで知識や経験にばらつきがあるので、相手を見極めることが大切です。
彼らは保険の手数料で収入を得ているため、シミュレーション自体無料で行ってくれますが保険の提案をされる可能性があることは覚えておきましょう。
プロのFP
プロというだけあって多くの場合は有料でシミュレーションを行います。金融商品の手数料ではなく、シミュレーションや相談自体でお金を取ることもあって質の高いコンサルティングを受けることができるでしょう。
自分でやる
現在ではネットでできるライフプランシミュレーションもたくさんあります。
好きな時に自分のペースでシミュレーションを行うことができますし、何度でもやり直すこともできます。ただ、どうしても簡易的なものになりがちですので、結果についても自身にあったものというよりはどちらかというと一般的な内容になってしまいますので注意が必要です。
ネットでできるライフプランシミュレーション
ネットでライフプランのシミュレーションができるサイトには下記のものがあります。サイトによって簡易的なものから詳しくシミュレーションできるものまで様々ですので、いろいろ試して自分に合ったサイトを見つけてください。
・生命保険文化センター:https://www.jili.or.jp/e-life/top/