日本の年金制度を分かりやすく解説!知っておきたい「2階建て」の仕組みと老後の備え
- ほけんイージー編集部

- 6月26日
- 読了時間: 6分

「日本の年金制度は複雑でよく分からない」「少子高齢化だし、結局自分はもらえるの?」など、年金に対して不安や疑問を抱えている方は多いのではないでしょうか。
実は、年金の仕組みは「建物」に例えると非常にスッキリと理解できます。国の保障である年金を正しく知ることは、これからの老後資金の準備や、毎月の民間保険料のムダを省くための第一歩です。今回は、専門知識がなくても一目で全体像がわかるように優しく解説します。
日本の年金制度の基本は「2階建て・3階建て」の構造

日本の公的年金制度は、よく「建物」に例えられます。日本に住むすべての人に関係する「1階部分」、会社員や公務員が上乗せして準備する「2階部分」、そして希望する人が任意で備える「3階部分」という、いわゆる「3階建て構造」になっています。
1階部分:すべての人に共通する「国民年金(基礎年金)」
1階部分は「国民年金(基礎年金)」です。日本国内に住所がある20歳以上60歳未満のすべての人が加入する、日本の年金制度の絶対的な土台です。自営業者も、会社員も、専業主婦も全員が共通して加入します。将来もらえる年金額は、現役時代に保険料を納めた期間(月数)に応じて一律の基準で計算されます。
2階部分:会社員や公務員が上乗せして準備する「厚生年金」
2階部分は「厚生年金」です。会社員や公務員など、職場で社会保険(厚生年金保険)に加入している人が、1階の国民年金に「上乗せ」して加入する仕組みです。保険料は毎月の給与や賞与の額に応じて決まる(現役時代の収入が多い人ほど多く払う)仕組みになっており、将来もらえる額も現役時代の収入や厚生年金の加入期間に応じて多くなります。
3階部分:さらに老後を豊かにするための「私的年金(iDeCo・企業年金)」
3階部分は、国の公的年金(1階・2階)の上に、個人や企業が任意で上乗せする「私的年金」です。
企業が従業員のために用意する「企業年金」や、個人が自分で申し込んで税金の優遇を受けながら老後資金を積み立てる「iDeCo(個人型確定拠出年金)」などがこれに該当します。公的年金だけでは足りない生活費を、自分の努力で補うための重要な選択肢です。
あなたはどこに該当する?3つの「被保険者」区分と保険料

公的年金に加入する人は、働き方や環境によって「第1号」「第2号」「第3号」という3つのグループ(被保険者区分)に分けられます。自分がどこに該当するかによって、保険料の支払い方や将来もらえる年金の種類が変わります。
第1号被保険者(自営業・フリーランス・学生など)
20歳以上60歳未満の自営業者、フリーランス、学生、無職の方などが該当します。加入するのは1階の「国民年金」のみです。保険料は全員一律の定額で、国から届く納付書や口座振替などを使って「自分自身で」納める必要があります。
第2号被保険者(会社員・公務員)
職場で厚生年金に加入している会社員や公務員の方などです。1階の国民年金と2階の厚生年金の「両方」に自動的に加入している状態になります。保険料は毎月の給与から自動的に天引きされており、しかも会社が半分負担(労使折半)してくれているため、自分で個別に支払う手続きは不要です。
第3号被保険者(会社員・公務員に扶養されている配偶者)
第2号被保険者(会社員・公務員)に扶養されている、20歳以上60歳未満の配偶者(専業主婦や主夫など)が該当します。加入するのは1階の「国民年金」のみですが、最大のメリットとして「個人の保険料負担がゼロ」という点が挙げられます。保険料は会社員全体の制度からまとめて支払われているため、自分のサイフからお金を出す必要はありません。
【一覧で見る】3つの区分まとめ
区分 | 主な対象者 | 加入する年金 | 保険料の決まり方 ・納め方 |
第1号 被保険者 | 自営業、フリーランス、学生、無職など | 国民年金(1階のみ) | 全員一律の定額。自分で納付書や口座振替等で支払う。 |
第2号 被保険者 | 会社員、公務員など | 国民年金+厚生年金(1階+2階) | 収入に応じた額。給与から自動天引き(会社が半分負担)。 |
第3号 被保険者 | 会社員・公務員に扶養されている配偶者 | 国民年金(1階のみ) | 個人の負担なし(個別に払う必要はありません)。 |
老後だけじゃない!公的年金が持つ「3つのセーフティネット(給付)」

「年金は老後のためだけのもの」と思っていませんか?実はそれは大きな誤解です。公的年金は、現役世代の私たちの「万が一」を一生涯守ってくれる、国が用意した強力な総合保険のような役割を持っています。
① 老齢年金(老後の生活を一生涯支える)
原則として10年以上保険料を納めた人が、65歳になったときから生涯にわたって受け取ることができる年金です。これが一般的にイメージされる「老後の年金」です。
② 障害年金(病気やケガで働けなくなったとき)
万が一、現役時代に病気やケガによって日常生活や仕事に深刻な支障が出るような障害状態(法令で定められた障害等級)になった場合に支給される年金です。うつ病などの精神疾患やがん、脳血管疾患なども対象になる場合があり、生活を支える大きな支えになります。
③ 遺族年金(万が一のときに遺された家族を支える)
年金に加入している人や受給している人が亡くなった際、その人によって生計を維持されていた遺族(配偶者や子どもなど)に国から支給される年金です。遺された家族がその後も生活に困らないようサポートしてくれます。
年金はいつから、いくらもらえる?

「結局、いつから、いくらもらえるのか」という点が一番気になりますよね。最新の給付額や仕組みを整理しました。
受給開始は原則65歳(繰り上げ・繰り下げの仕組み)
公的年金をもらい始める年齢は、原則として「65歳」からです。しかし、自分のライフプランや健康状態に合わせて、もらい始める時期を前後に自由に調整することができます。
前倒しでもらう(繰り上げ受給): 60歳から64歳11ヶ月の間に早めて受け取ることができます。ただし、1ヶ月早めるごとに「0.4%」減額され、その減額された金額は一生涯変わりません(最大24%減)。
後ろ倒しでもらう(繰下げ受給): 66歳から75歳までの間に遅らせて受け取ることができます。1ヶ月遅らせるごとに「0.7%」増額され、これも一生涯続きます。現行制度では、最長75歳まで遅らせることで、最大「84%増額」された年金を生涯受け取ることが可能です。
もらえる年金額の目安と「ねんきん定期便」の活用
もらえる金額は人それぞれ異なりますが、一般的な目安は以下の通りです。
国民年金(老齢基礎年金): 20代から60歳までの40年間、すべての保険料をきちんと納めた場合、2026年度(令和8年度)は月額約7.1万円(年間約85万円)が満額として支給されます。
厚生年金(老齢厚生年金): 現役時代の収入や会社員として働いた期間によりますが、平均的な収入で40年間働いた会社員の夫と専業主婦の夫婦世帯の場合、2人合わせて月額約22万〜23万円程度がひとつのモデルケースとされています。
「自分は将来いくらもらえるの?」という正確な数字を知りたい場合は、毎年誕生月に届く「ねんきん定期便」を見るか、ネット上でいつでもシミュレーションできる「ねんきんネット」を活用するのが最も確実でオススメです。
公的年金を「土台」にして民間の保険や資産形成を検討しよう
日本の年金制度は、老後だけでなく、病気やケガ、万が一の死亡リスクまでカバーしてくれる、私たちが日本で生活する上での「確固たる土台」です。
まずは、この国の保障で「何が、どこまで守られているのか」を正しく知ることから始めましょう。その上で、国の保障だけでは足りない「穴」(老後の生活費の不足、働けなくなったときの家族の生活費など)をハッキリさせ、それを埋めるために民間の生命保険やiDeCo(個人型確定拠出年金)などを賢く組み合わせる。これこそが、毎月の掛け金のムダをなくし、本当に安心できるライフプランを作るための最善のアプローチです。


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